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2017-11-15

【第3回】-朝倉ウッドキャンドルと蒸し雑煮の想い【九州北部豪雨災害のあと。東峰村・朝倉市特集】


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「何ができるか?に正解はないけれど、外部の方の『これおいしいですね!』という単純な言葉そのものが…被災したみなさんにとってのパワーになるのかもしれないなと、僕は感じたんです。」

「おいしいですね!」「すごーい!」「かっこいいー!」「いいですねー!」

こんな飾り気のない正直な言葉が、誰かのパワーになることがあるのだと、記者の私は初めて気がつきました。

 

第3回【あさくら観光協会 事務局長:里川径一(さとがわみちひと)さん】

東峰村・朝倉市を特集でお伝えする企画の第3回目に私達がお話を伺ったのは、あさくら観光協会事務局長の、里川径一さんです。

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この仕事に就かれるまでに、阪神淡路大震災のボランティア、海外でのNGOなど、数多くの経験を積んできた里川さん。

九州豪雨災害の後にはその経験を活かし、自分に出来ることを精一杯こなして奮闘する日々だったといいます。詳しくお話を伺いました。

 

九州豪雨災害の流木を【ウッドキャンドル】に

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「災害の後、流木で道が塞がれて通行が出来なくなり、撤去には時間もお金もかかるため、流木は悪者扱いされていました。でも元々は大切な自然の一部で、立場が変わったら悪者扱いだなんて人間の勝手だなって。だから、流木を使って復興支援になることができないかなと考えたんです。」

 

料理の煮炊きの火として、暖房として、明かりとしても使用出来る。

料理の煮炊きの火として、暖房として、明かりとしても使用出来る。

「被災ゴミである流木がウッドキャンドルになれば、立場は一転。有効活用できます。販売すれば地域支援のお金にもなりますし、今後災害が起きたときの暖房&調理器具のひとつにもなる。

 

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「クラウドファンディングでみなさんに資金を募り50万円集めるつもりが、結果的には600万円以上になっていました。そのお金を、加工工具購入費や加工費、そして高木地域コミュニティの活動の支援に使用させていただきました。」

 

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「仕事の前に、朝5時起きで流木を集めたりして、とにかく必死な毎日でした。」

 

■現在も「ウッドキャンドル」を購入し、朝倉を応援することが出来ます!詳細はコチラのHPへ>>

 

朝倉・東峰村の一部で愛されていた【蒸し雑煮】を復活させよう!

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「『蒸し雑煮』は九州豪雨災害の復興のためにやっていたことではなかったんですが、結果として導かれるようにそうなりましたね。災害の後は、福銀さんでウィンターキャンペーンの品として1万3千個購入していただいたりして、やっていて良かったと思いました。」

 

家庭で「蒸し雑煮」が作れるセット。704円(税込)。

お雑煮研究家の粕谷浩子さんと開発!家庭で「蒸し雑煮」が作れるセット。702円(税込)。

「蒸し雑煮は昔、朝倉と東峰村の一部地域で食べられていた伝統料理です。茶碗蒸しの中におもちが入っている珍しいお雑煮なんですよ。全国的にも蒸すお雑煮はこの地域にしかないそうなんです。」

蒸し雑煮の歴史・詳細など、詳しくはコチラへ(公式HP)>>>

 

今では朝倉市・筑前町の19箇所で「蒸し雑煮」が食べられるそう!

今では朝倉市・筑前町の19箇所で各お店のアレンジの「蒸し雑煮」が食べられるそう!

「朝倉にはまだ『朝倉に来たら、これ食べんと損するよ!』っていう名物料理がなかった。だから、そんな料理に育つといいなと思って始めたことだったんです。

だけど、商品が売れれば、地域にお金が落ちます。結果的に、作っていて良かったと思いました。」

 

記者「柳川といえばうなぎ!糸島といえば牡蠣小屋!朝倉といえば…蒸し雑煮ですよ〜!おいしかった♡(作っていただきました!)」

■「蒸し雑煮」はインターネットからでも購入出来ます。コチラ(公式HP)>>>

■「ふるさと納税」の返礼品としてもお手元にお届け。コチラ(さとふるHP)>>>

 

「もう復興したんじゃないの?」

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「朝倉市の秋月など、観光地としても全国的に有名な場所は復興が進んでいますが、僕が住んでいた黒川地区などの山奥の田舎は、全然復興が進んでいません。ボランティアの方にも、まだまだ助けて欲しいくらい。

だけどメディアで、秋月だけをクローズアップして見てくださった方は…『あ、もう復興したんだ!』と思っている方が多いのも現状です。」

 

取材後、黒川地区へと車を走らせていくとそこには…。

取材後、黒川地区へと車を走らせていくとその途中には…。

【ここまで復興しました】というポジティブな面と【まだまだ復興していません】というデリケートな部分。両面をより細やかに、事実を発信していく必要があることに気がつきました。難しいですが…。」

 

山奥の田舎であればあるほど、復興は厳しい

そこには人が住んでいるから。

「梨や柿の畑も泥まみれで、危険な状態。泥を除いたり手当てしたりしないと来年の収穫が危ないのに、人もいないから手が回らないんです。

だけど僕の住んでいる黒川地区のような、高齢者人口が半分以上を占める限界集落だと、予算をかけて復興しても、その先に住む人がいなくなる可能性があります。

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でも、そこに確かに住んでいる方がいらっしゃるのに『じゃあ、意味がないので復興しません』なんて…言えますか?

豪雨はどこの地域でも起こりうることで、僕の住んでいる黒川地区に近しい環境の場所は、日本には多いはず。この問題はこの地域だけのことじゃない。日本全体の今後の課題ですね。」

 

【何ができるか?】に答えはない。だけど…

「地域の人たちが集まるとやっぱり話の内容は暗くなるんです。『お前、この先どうすると?』『もう辞めようかと思っとる。』って。これが、当たり前に出てくる言葉です。

でも、ある時地域の外の方が来て、朝倉のものを食べたとき言われたんです。『これ、ここで出来たんですか?おいしいですね!』って。

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そしたら『やっぱりまだまだやめられんばいなぁ〜!!』なんて、前向きな言葉や表情が出てきたりして。

 

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「何ができるか?に正解はないけれど、外部の方の『これおいしいですね!』という単純な言葉そのものが…被災したみなさんにとってのパワーになるのかもしれないなと、僕は感じたんです。

だからこの先は、朝倉の人と外の人が出会い、率直にお話し出来る機会を増やしていけるような企画をしていけたらと思うんです。」

 


「おいしいですね!」「すごーい!」「かっこいいー!」「いいですねー!」

こんな言葉が、地域の人達に届く言葉だと。当たり前のようなことなのに、ものすごく大事なのだと…記者は改めて気づかされました。

山奥の、空気と水が澄んでいる地域で作られる梨、柿、お米。
本当においしいそうなんです。

だから記者は…機会があればちゃんと「おいしいですね!」って、みなさんに言葉を伝えるところから始めようと思っています。

 

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朝倉の魅力をまるっとお伝えします!【あさくら観光協会facebookページ】>>>

 

「あさくら観光協会」アクセス・住所・営業時間など

朝倉市・東峰村の特産品を購入することが出来ます。観光案内・マップなどもコチラで!

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住所:〒838-0068 福岡県朝倉市甘木1320

TEL:0946-24-6758

営業時間:9:00~18:00

店休日:火曜休館。祝日の場合は翌日が休館。年末年始。

駐車場:あり

HP:http://amagiasakura.net/


【アクセス】

※甘木鉄道甘木駅構内

西鉄甘木駅より 徒歩3分

大分自動車道甘木ICより 車で8分

 


■「九州北部豪雨のあと、みなさんに会いに。」東峰村・朝倉市特集ページへ>>>


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