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知っていますか?日本の文化・畳のこと。佐野畳屋が伝える“無染土いぐさ”の魅力|佐野畳屋


「畳っていい~」

畳に上でごろんと転がったときの気持ちよさ。香りに包まれる安心感。畳を素敵だと感じている方は多いはず。

でもじつは、畳について深く知っているという方は少ないのではないでしょうか。例えば、畳の原材料である“い草”については知っていますか?

そこで今回は、福岡の魅力発信サイト「もっと福岡」が、福岡県内で唯一「無染土い草」を取り扱いその魅力を広めようとしている「佐野畳屋」と、「無染土い草」の魅力をお伝えしていきます。

佐野畳屋|佐野典久さん

福岡県のちょうど真ん中あたり、筑豊地方の田川市に「佐野畳屋」はあります。その場所で、畳の魅力を伝え、販売するお仕事をしているのは、こよなく畳を愛する「佐野畳屋」3代目店主・佐野典久さん。

佐野さんが日本の畳文化を伝え、残すために大事にしているのは、2つのこと。

ひとつ目は、「い草農家(生産者)さんのために」。

「い草」の生産者さんが安心して「い草」を育てられるように、一部契約した田んぼのい草を一括で生産者さんから買い取られてます(今後増やしていきたいと活動中)。それは、生産者さんに毎年安定した収入を作るためです。

ふたつ目は、「お客さんのために」。

その理念から、佐野畳屋のこだわりでもある「無染土のい草」をあえて使っています。

「『無染土い草』ってなに……?」

恐らくこの記事を読んだほぼ全ての方がそう思われると思います。

無染土いぐさのこと

「い草」とは、畳の原材料となる植物のこと。香りによるリラックス効果、抗菌、吸放出性に優れています。

この「い草」は、 多くの畳を作る工程で、糸を染めるように、土を使用した“泥染め”の加工が施されます。

「畳のいい香り~」と一般的に言われているのは、実はい草と泥染めした泥の混じった匂い。泥染めは、日に焼けることでの色あせを防ぐ役割と、いぐさの乾燥を調整する役割を果たしています。

しかし土の細かい粒子が畳表に残り、使い始めの時期は色が服などに移ることも。また、~5歳くらいまでは泥の粒子に免疫がないため、お子さんのアレルギーやアトピーが心配な方もいらっしゃいます。

そこで、「無染土い草」を使用した畳です。「無染土いぐさ」とは、泥染めの加工を行わない、素材そのままの「い草」のこと。

写真上:無染土い草で作られた畳 写真下:泥染め加工を施して作られた畳

無染土い草を原材料にした畳には、こんなメリット・デメリットがあります。

無染土い草の畳の魅力1:すぐに使い出せる

泥の粒子がついていないため、一般的な畳の使い始めに必要な水拭き作業(服などへの色移りを防ぐ)が必要なく、お届けしてすぐに使い始めることが出来ます。

無染土い草の畳の魅力2:アレルギー・アトピーへの不安解消

泥の粒子がついていないため、アレルギーなどを引き起こす可能性も軽減され、赤ちゃんやお子様も安心して寝転がれます。

無染土い草の畳の魅力3:とっても良い自然な“草”の香り!

染めの加工を施していないので、自然そのままの“い草”の香りが楽しめます。あなたがイメージしている“畳”の香りとはまた違う良さかも。

い草には“フィトンチッド”と呼ばれるリラックス効果を持つ成分が含まれており、それを直に嗅ぐことで、心からくつろぐことが出来ます。

無染土い草の畳の魅力4:草の油が作るツルツル感が気持ちいい

い草の表面からは、自然の生み出す油が出ています。その油が畳の表面に光沢を生むためツルツルと美しく、足で踏んだ時も気持ちいい!特に、お風呂上りに無染土の畳を素足で踏んだ時の気持ちよさは格別です。

ただし、靴下を履いているときは滑りやすいので要注意です。

佐野畳屋といぐさの生産者さんとのストーリー

創業昭和27年の老舗「佐野畳屋」3代目店主:佐野典久さんの無染土い草への並々ならぬ思い。

両親の後を継ぎ、畳屋で働いて数年経った頃、単身でいぐさ農家の多い熊本県八代市へと訪れた佐野さん。目の前で見たのは、いぐさ農家さんの厳しい現実。そして何よりもその魅力でした。

いぐさは畳の原材料として収穫するまで、なんと1年6ヶ月も時間がかかります。育てるのに手間暇も体力もかけているのに、台風がきて一気に駄目になることも。

刈り取ってからの作業も大変。生の草はすぐにしおれてしまうため、すぐに1日かけてシャワーで洗い、乾燥機に入れて乾かす作業が必要です。

そのあまりの大変さに、野菜農家さんへと転身する方も多いのだそうです。

ですが、佐野さんと契約を交わし「無染土い草」を作られている熊本県八代市の生産者の倉井さんは、い草農家を続けようとしています。

「こんなに大変なのに、なんでいぐさの仕事を続けるんですか?」と、ある時、佐野さんは聞いてみたそうです。回答はとてもシンプルでした。

「いぐさが好きだからかなあ」

そんな倉井さんは、手間暇をかけて育てたいぐさでも原材料として品質を一定レベル以上に保てない部位は、バッサリと切り落としてしまうのだそうです。

それは、堅実で誠実な倉井さんの、“生き様” そのもの。

いぐさを育てる農家さんの苦労、努力、想いを知った佐野さん。ですが、農家さんとは表舞台に出てくることがない存在です。

「だったら、直接お客様と話すことが出来る、畳屋の僕が伝えなくては!」

そんな気持ちで佐野さんは、お客さまへと、無染土いぐさの魅力やストーリーを伝えることが使命だと思うようになりました。

日本の文化・畳で、無染土い草の魅力を体感してみて

日常の中で良さを体感していても、意外と深くは知らなかった畳のこと。今回は畳の原材料である「い草」、中でも「無染土い草」について深堀して、その魅力をお伝えしてみました。

無染土い草、い草農家さんの背景、畳屋の佐野さんの熱意を知ることで、畳や原材料であるい草に対する愛着や選択肢が広がります。

記事を読んで「無染土い草って素敵だな」「あえて無染土い草を選んでみたいな」と思われた方は、ぜひ日常に取り入れて欲しいと思います。

無染土い草の魅力を体感したい方へ

無染土の持つ魅力、そして生産者の倉井さん、畳屋の佐野さんの想いに触れて、「実際に使ってみたいな」と思われた方へ。

「でも畳を買うのは…」という方にもおすすめな手軽なものから、「ぜひ無染土の畳を使いたい」という方へおすすめの本格的なものまで、無染土い草を使った商品たちをご紹介します。

手軽に:オフィスや自宅に飾れる「かおりの」

長さを14㎝に揃えた無染土い草「かおりの」。結んで立ててみたり、瓶に立てたりして、オフィスやご自宅でお使いいただけます。

疲れた時には気軽に手に取って、鼻の近くで香りを吸い込んでみてください。無染土い草の良い香りに、とっても癒されますよ。

真空パックで香りをギュッと閉じ込めてお届けします。

◆「かおりの」詳細ページ(※商品開発段階のため準備中) >>

自宅に畳がなくても:自然素材の置き畳

こちらは、フローリングに置くだけですぐ使えるタイプの「自然素材の置き畳」。 身体に直接触れる畳表に、無染土い草を使用しています。

和室がなく、フローリングが多い現代のお家に合うおしゃれなデザインと丁度良いサイズ感でとても使いやすく、赤ちゃんやお子さんがいるおうちにもおすすめです。

> (opens in a new tab)” rel=”noreferrer noopener”>◆自然素材の置き畳 詳細ページ >>

自宅の畳を無染土に変える:表替え・新調

日々の生活にしっかり無染土い草の魅力を取り入れたい方は、ご自宅の畳の表替えや、新調をおすすめします。

ご相談・お見積もりなど「佐野畳屋」までご連絡ください。

>> (opens in a new tab)” rel=”noreferrer noopener”>◆ 佐野畳屋HP >>>