わかまつ農園|循環する農業から生まれた甘夏精油・洗剤
テーマは「循環」。農業を通じて追い求める社会貢献と幸せのかたち
今回お話を伺ったのは「わかまつ農園」代表:若松潤哉さんと由加利さんご夫妻です。
お2人は、潤哉さんの脱サラ後、娘さん4人を含めた一家全員で関東から福岡県糸島市に移住し、今年で農家となって8年目となりました。
「わかまつ農園」の理念は「地下資源に頼らない農業・自然の循環に基づいた農業 」。
育てている作物は、「甘夏みかん」「オリーブ」「枇杷(びわ)」「イチジク」「黒豆」「日本ミツバチ」など。
中でも「甘夏」は「わかまつ農園」主力の農作物です。
農園主の高齢化により10年以上手が入れられず「甘夏みかん」が放置されていた土地を借り、栽培を始めました。
移住してきた当初は土地が見つからず、とても苦労したといいます。ですが、ようやくたどり着いたこの場所は、10年間人の手が入っていないため自然に近い環境がそのまま残されており、自分たちが理想とする農業に最適だと感じたそうです。
その土地は、人が通るのもままならないほど荒れていました。
それでもこの土地が良いと思った、若松夫妻の理想とする農業とはなんでしょうか?
それは、若松さんの前職での経験から生まれた理想の形でした。
農家になる前は、航空整備士をされていた若松さん。
「コツコツと作業するのが好きで、緻密さを求められる仕事は向いていたと思います。重要なポストに就いていたので部下も多く、いつも仕事のことを考えてしまうくらい忙しい日々でした」とおっしゃる若松さん。
航空整備士の仕事はやりがいもあり、好きだったそうです。ですが、9.11の「アメリカ同時多発テロ事件」をきっかけに、価値観が変わったといいます。
それは、飛行機を飛ばすために大量の地球の地下資源(石炭や石油)が使われている事実に気が付いたことでした。
飛行機のみならず、今の私たちの生活の多くが、地下資源を使うことによって成り立っている…このままのペースで使い続ければ、いずれ地球の地下資源は枯渇する。 同時多発テロ をきっかけにそう思い至ったといいます。
ではどうすればよいのか?
真剣に向き合った答えが「地下資源に頼らない農業・自然の循環に基づいた農業」です。 自然の循環に基づいた農法を行うことで、地下資源を使わずに作物を育てることが出来ます。
農薬を一切使わず、有機肥料のみで、自然の力を活かして行われる農業。その形は、実際に畑へ連れて行っていただくと体感することが出来ました。
「えっ、雑草まみれ?!どれが木?!」と、驚くくらいの草の生え方。
でもこれは、雑草を必要以上に除去せず、土壌微生物に分解してもらい、土壌生物が作り出す元素で果樹を成長させる環境づくりのためなんです。
この土地で育った「甘夏みかん」は、農薬を使わないからこそ皮をマーマレードにして楽しんだりでき、もちろん味だって「美味しい!」そうです。
わかまつ農園|「甘夏みかん洗剤」「甘夏精油」
「わかまつ農園」の農薬不使用・有機肥料のみで育てられた「甘夏みかん」を使用して作られているのが「甘夏みかん洗剤」と「甘夏精油」です。
わかまつ農園|甘夏精油
「甘夏精油」が出来たのは「私たちが育てる甘夏は無農薬で栽培している。ふだん食べるときには捨ててしまう、皮にこそ価値があるのではないか?」というご、夫婦の気づきからでした。
市販のアロマオイルには香料が使用されているものもあり、その強い香りが苦手だったという由加利さん。そこで、自社で水蒸気蒸留法で精油を抽出し、純度100%の甘夏オイルの製造を行うことにしました。
実際に使用してみると、香りは、まるでもぎたての甘夏のようにフレッシュ!思わず瓶に鼻を付けて深く嗅ぎたくなるような、自然な香りです。
わかまつ農園| 甘夏みかん洗剤
「甘夏みかん洗剤」が出来たのもまた、とある気づきからでした。
「アロマオイルの抽出作業をしていると、シンクがいつもピカピカになる。なぜなのか? 」
不思議に思い調べてみると「甘夏みかん」の成分のひとつである「リモネン」には、油を浮かす、鎮静作用がある…などの効果があることがわかりました。
当時、日々の水仕事で、手荒れが起きていた由加利さん。「甘夏精油を使った洗剤を作ったら、手にも環境にも優しい商品が出来るかもしれない」と商品開発を始めたといいます。
この洗剤、甘夏以外には、トウモロコシ、ヤシ、オリーブの葉、タピオカ、サツマイモ、ヒマシ油(トウゴマ)、海水、岩塩と、自然由来の成分、オイルの抽出の際に必要な必要最小限の化学物質だけが入っています。
「甘夏みかん」の皮を使ったオイルから感じられる香りの良さと、自然の機能を活かした、肌にも環境にも良い洗剤。
20倍希釈でたっぷり使えるうえ、食器はもちろん、お掃除をしたり、果物やお野菜を洗ったり、手洗いにも使える優れものです。甘夏オイルの良い香りをかぎながらの家事は、良い気分転換にもなります。
通常なら、果物の皮は捨てられ、燃やされてしまうことが多いかもしれません。また、一般的な洗剤は大量の手間とろ過する工程を踏んでエネルギーを使わないと海に還すことができないもの。
皮まで使う。自然に近い原材料の洗剤にする。この2つの商品は、若松さんの新たな循環を形にしたものなんですね。
人との繋がりも循環
カフェ 兼 雑貨店をオープン
ご夫妻は2021年、同じ糸島市内に「 お菓子と暮らしの物 りた」をオープンしました。
「主人が転職を考えだしたころから『人と人が繋がれる場所が作りたいね』と2人で話していました。でも、既にあるものを仕入れて販売するだけでは、やりたいことと違うなと感じていました」と、由加利さん。
場づくりをする前に、まずは自分たちで0から生み出すことをできるようになろう、と考えたことも、農家になったキッカケのひとつだったそうです。
カフェの店内は、おしゃれで居心地の良い空間。
自社で育てている甘夏、オリーブなどを使い、食事もデザートも出来る限り手作りしています。ピザやロールケーキなど、バリエーションも様々です。
お店に訪れるお客様は、これまで出張販売会などで出会った作り手のみなさんや「わかまつ農園」の理念や栽培方法に共感を持ち、商品を購入してくれたお客様がメイン。
共感で繋がる仲間がお店を訪れ、交流を深め、更にファンになってまた店を訪れる…。口コミで広がり、新たなお客さまも訪れ、新たに理念に共感してくださる方が増える…。
これも、若松夫妻が提案する場づくりという名の”循環”の形なんですね。
農業代行業
果物の栽培、カフェの経営だけではなく、農業のコンサルティング業務や、代行業務も行っている「わかまつ農園」。
例えば、高齢化し農作業が難しくなってきた方の畑の草刈りを仕事として請け負い、作物を育ててもらう。完成した果物を買い取って、カフェで飲食メニューにするという面白い取り組みをされています。
これも、地域の方と取り組むひとつの”循環”の形ですね。
若松夫妻の取り組む”循環”。気になる方は、まずは商品から手に取ってみて
「自分たちの活動が誰かの選択肢のひとつになれたら」と若松さんは言いました。
記事を読んで「若松夫妻の考え方に触れてみたい」と思われた方、「私も実際に商品を使ってみたい」と思われた方は、まずは「甘夏オイル」「甘夏みかん洗剤」を手に取ってみてください。
「甘夏精油」や「甘夏みかん洗剤」という商品を知ることは、地球の地下資源や循環についてまず第一歩目を知ること。そして商品を使うことは、小さなことながらも循環の一員になることに繋がっているのではないでしょうか。
商品を使うという小さなキッカケから、自分の選択肢を広げていくのもいいかもしれません。
購入先はこちら
わかまつ農園 公式オンラインショップ
◆ 糸島育ち 自然栽培甘夏精油5ml(アロマオイル)
https://noukaseries.thebase.in/items/7864833
◆ 糸島育ち 甘夏みかん洗剤 濃縮万能 300ml
https://noukaseries.thebase.in/items/7864587
【わかまつ農園】インフォメーション
住所:〒819-1641 福岡県糸島市二丈吉井3743-9
TEL:092-326-6101
公式HP:糸島のオーガニックカフェ「わかまつ農園」 (itoshima-olive.com)