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2018-12-05

メーカーに知ってもらいたい!販売店のこだわり【株式会社イズミ・ゆめタウン】編


これまで「もっと福岡」は、商品を生み出す【作り手側】の取材を中心に行ってきました。ですが今シリーズは、あえて【買い手側(商品を売る側)】の取材へ。

ライターでもあり、じつは本業がメーカー(作り手)の記者は、作り手側に気持ちが入ってしまうからこそ、つい最近まで考えたこともありませんでした。

買い手側にも、歩んできた道と経験があって、作り手に伝えたいことや、売るためにもっとこうしてほしい!という熱い気持ちがあるということ!

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作り手と買い手が出会い、お互いを知ることで、

「もっとお客様に知ってもらえる。」「もっとお客様に買ってもらえる。」「もっとお客様に喜んでもらえる!」

商品を販路を、最初から一緒に創り出すことが出来たなら…!!

だからまずはあなたに知ってもらうために、この連載で買い手の【思い】を伝えていきます。

 

第1回:株式会社イズミ(九州・中国四国地方が中心の大型ショッピングモール「ゆめタウン」などを経営)

第1回の今回、お話を伺ったのは「株式会社イズミ」の食品事業部九州食品課長:勝屋輝久さん(写真右)と、食品事業部加工食品課チーフバイヤー:横山喜之さん(写真左)です。

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大型スーパーで食品を専門にされているお2人に、最近の食品業界のことや、企業としての取り組み、商品開発秘話や仕事への熱い気持ちを伺いました。

 

食品業界の流れ

「ここ20年位の食品業界は、ディスカウンター(低価格店舗)が増え、単品価格の違いで勝負をする時期がありました。

ですが最近では、お客様の中でも、質にこだわる方が増えてきているように感じています。

だから店舗側も、品質や店舗の品ぞろえにこだわっている所が増えている印象です。

私たちも、品質や品ぞろえにこだわった店舗づくりに力を入れているところです。地域のモノにも力を入れています。」

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例えば、この日取材をした店舗である「ゆめタウン久留米」の【お醤油】の棚。日常的に使える価格のモノから、地域に根付いた少しお値段の良いこだわりのモノまで…商品がズラリ!

この品ぞろえの豊富さは、お醤油だけではありません。

ジャムや…

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ポン酢…

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カレーもこんなに!!

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日常的に使う調味料や、口にする食べ物がこんなに種類豊富だなんて!見ているだけでも楽しいです!

棚を見るだけで、「ゆめタウン久留米」さんの品ぞろえ、品質へのこだわりが一目瞭然ですよね。

 

販路が決まる = 売れる ではない?!

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「私たちには、商品がお客様に売れることで、作り手に利益をしっかり還元して、また良いモノを作っていただきたいという思いがあります。

ですが、私たち売り手と作り手のみなさんの間では、

【想いを共有する】【お互いの求めていることを刷り合わせる】といった機会が圧倒的に少ないことから、意図せず大きなズレが生まれてしまうことがあります。

作り手の方は、「一生懸命良いモノを作ったから売れるはず!」と、考えられていることが多いです。

だから、実際お会いした時には、既に商品が完成していて、「ここを変えれば、うちで売れるようになるのに…!」という売り手側の要望を伝えるタイミングを失っていることがあります。

完成した商品を『変えてください』と伝えるのは、作り手の側の資金面や手間を考えると、とても難しいことです。

だからこそ、作り手と売り手が積極的に関わる場所や機会が多く必要だと思うんです。」

 

お客様の喜びを考えて【品質に対する値ごろ感】がスローガン

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「良いモノが高い値段で売られていることは、ある意味当たり前じゃないでしょうか。

だから『ゆめタウン』では、品質に対して値ごろである商品に力を入れて売っていきたいんです。

お客様が『ゆめタウン』のファンになる理由は、【日々のちょっとした驚きや感動】だと考えています。

特別なことではなく『この値段でこのおいしさ!嬉しいね!』といったような日々の小さな喜び。その感動を提供していきたいんです。

例えばお米。生産者さんにお話を聞き、美味しいお米を手の届きやすい価格で販売しています。

例えばお米。生産者さんにお話を聞いた美味しいお米を、手の届きやすい価格でバリエーション豊かに販売しています。

実際、『ゆめタウンに行けば、良いモノが揃っているからね。』と、足を運んでくださる方が増えているんですよ。」

 

どんな商品を売りたいと思っているか?

「だからこそ私たちは、

◆ 品質に対して値ごろである商品

◆ おいしいものだから、できるだけ安く提供できる努力をして、沢山のお客様に食べていただきたい商品

このような商品を求めています。

それはやっぱり、お客様に喜んでいただきたいからですね。」

 

熱意をもって、売れる商品を作り手と一緒に開発する!

「約1年半をかけ、作り手と二人三脚で「博多もつ鍋スープ」の商品開発をしました。

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新商品を作るときは、作り手と一緒に店頭に立って、お客様への試食販売も行います。

私たちがお伝えしたことよりも、お客様の声がダイレクトに響き、開発に活かせる。そんなことも多々ありますから大切な機会です。

思いや現場を共有する機会を積極的に作り、一緒に「売れる商品」を作っていこうと、商品開発を行っています。

2018年10月1日より「博多もつ鍋スープ」が発売されています。

2018年10月5日より「博多もつ鍋スープ」が発売されています。

私たちが作り手の皆さんと一緒に開発した商品は、ピタッとはまり、人気が出ることも多いんです。

それは、商品開発の時点から、作り手のこだわりの素材と、売り手が現場で得てきた知識や経験が合わさるからだと思います。

ただ、もちろん全てが売れる商品になるわけではありません。その時は、私たち買い手が原因を追求し、作り手にフィードバックすることも大切だと思っています。

 

想いを共有したい。これらの取り組みを知ってほしい

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「私たちは、出来る限り作り手の皆さんのモノを作る“思い”を共有したいです。

横山なんかは特に、よく生産の現場や競合の他店に足を運んでいますし、様々なものを実際に食べ比べたりなどしています。かなり勉強熱心で、熱いんですよ。

また、私たちが現場で体感したお客様の動きや声をフィードバックして、様々な作り手の方と「売れる商品」を作ろうと取り組んできたことも知っていただきたいと思っています。

もっともっと交流の場を作っていきたいと、前向きに考えています。」

 

・・・

 

「作り手のこだわりや魅力ばかり伝えようとして、買い手側の『一緒に売れる商品を作りたい!』という気持ちや、商品の売りやすさを全く考えていなかった…。」

この取材は、作り手側の私が深い深い反省をした、大きな出来事でした。

ですが…

買い手側が、作り手側の心強いパートナーになってくれる。思いを共有し、一緒に売れる商品を生み出すことができる!

そんな新たな世界も、この取材から描けてきませんか?

作り手側も、買い手側の気持ちや要望に応える努力をしなくては!そして、お客様が喜んで買ってくださる商品を生み出したい。

そんな気持ちで、買い手側の【思い】を伝えるために連載を続けます。

 

連載第2回も、こうご期待!


◆ バイヤー

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食品事業部九州食品課長

勝屋輝久さん

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株式会社イズミ

食品事業部加工食品課チーフバイヤー

横山喜之さん


 

◆ 企画・取材

yasutakeインタビュアー

安武一征

株式会社アジアン・マーケット代表取締役

/「コハルライト」メーカー、博多女子高等学校商品開発外部講師、糸島市マーケティングモデル推進事業プロモーション担当、ふくおか6次産業化プランナー


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ライティング

室井友希

株式会社アジアン・マーケット ディレクター/「コハルライト」メーカー、ライター、カメラマン、福岡県中小企業振興センター情報発信サイト「もっと福岡」編集

 

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