【第7回】-朝倉市黒川復興プロジェクト【九州北部豪雨災害のあと。東峰村・朝倉市特集】
「ボランティアって結局、人同士だから毎日色んなことが起こるけれど…話して、違いも含めて、理解し合っていくことじゃないでしょうか。」
自然から、災害から、人から、コミュニティから…あらゆる目の前の現実から逃げずに向き合う柏田さんの、芯の強さが…この言葉にはこもっているなと、記者は感じたんです。
第7回【朝倉市黒川復興プロジェクト 柏田 智(かしわだ さとし)さん】
東峰村・朝倉市を特集でお伝えする企画の第7回目に私達がお話を伺ったのは、「朝倉市黒川復興プロジェクト」の、柏田 智さんです。
「山仕事がしたい。」との気持ちから8年前に福岡県朝倉市に移り住み、更に「田舎暮らしがしたい。」と4年前より山間部の黒川地区に住み始めた柏田さん。
九州北部豪雨災害後は、「ボランティアの方に来てもらうだけではなく、地元住民の自分達もなにかしなくては。」というお気持ちがあったそうです。
そんなみなさんが集まり、【朝倉市黒川復興プロジェクト】を3名(現在は4名)で立ち上げ、活動がスタート。
豪雨から約半年が経った今のお気持ちを、私達に聞かせてくださいました。
みなさんが愛する黒川地区の魅力って? ①ホタル ②お米 ③梨
7回目の取材の際に、改めて思いました。
それは…記者陣は、九州北部豪雨災害があった後に初めて黒川に足を運んだので、元の景色を全く知らないということでした。
これを読まれているみなさんの多くも、きっとそうだと思います。
そこで、4年前より黒川に住まれている柏田さんに、お聞きしてみることにしました。
記者「柏田さん。黒川の魅力は、どこですか?」
柏田さん「そうですね。ホタルと、お米と、梨ですかね。」
「すごいんですよ。たくさんある杉の木の辺り一面にふわっとホタルが飛んで、かなりの量が光るんです。」
「それから、お米。お米ってお寺に奉納することがあるんですけど、黒川地区のお米は、お客様用にするため、特別によけてあるんです。
それくらい美味しさが違うらしくて。」
「あと、有名なのは、梨ですよね。」
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梨の花!白くてカワイイです…!心が穏やかになりそうな、優しい白です。
黒川地区の観光農園【コロコロ梨工房】さんの取材記事はこちら>>>
「それから、僕が個人的に良いと思うのは…
山の高い所にあるから、夜になると一切下の町並みが見えず、光も入ってこないので、月の満ち欠けによって明るい日と暗い日がハッキリ分かるんです。」
豪雨が起こる前の黒川の美しい景色が、目に浮かぶようでした。
黒川地区を愛する人たちがいる
ボランティアで現地に来ているみなさんは、黒川に1度来たことがあって、「黒川が好き!」と思っているリピーターさんがほとんどだそうです。
(もちろん、純粋にボランティアのために足を運んでいる方もいらっしゃいます。)
黒川地域は高齢者の人口が6割を占める、いわゆる限界集落といえる場所。
ですが…そこに生活があり、その景色を、食べ物を、人々を、求めて足を運ぶ人がいる特別な場所なんです。
地元の方に自ら「何かしよう!」と思ってもらいたい
「実は、ボランティア活動中には当然作業があるので、ボランティアの方と地元の方との交流ってほとんどありません。
だから僕は、1月28日(日)の、みなさんへの感謝の気持ちをこめて行う『感謝祭』が、交流の機会になればと思っています。
話をして繋がりを持つと、目の前の人はただの『作業者』ではなく、1人の人間として大切な存在になります。
そうすれば、直接その方に声をかけて手伝ってもらうことだって出来るし、『次はみんなと何が出来るか?』と、繋がった仲間と一緒に主体的に取り組んでみたくなるでしょう。」
主催者も1人の人間だから…悩んで、それでも前に進む
「今は『朝倉市黒川復興プロジェクト』が主体でボランティアの募集をしていますが、地域のみなさん主体にシフトしていけたらと、僕自身は思っているんです。
僕は、自分も被災しています。だからもちろん、ボランティア活動をするかたわらで、自分のこともしなくてはなりません。
日々のボランティア活動を続けていると、当然、僕も人なので疲弊してくることもあって…。活動を続けたいと思う反面、難しい所なんです。」
どんな状況でも勉強!
「僕は元々結構、1人で家にいるのが好きなタイプなんですが、笑
まさかこんなに、人に囲まれて生活を続ける日々が来るとは思っていませんでした。
この状況で人の上に立つこと、みんなの士気を上げること…僕自身も日々勉強だな、苦手だけど良い機会なんだな、と思ってやることにしてます。」
・・・
「柏田さん、すごい!」って記者が感じたのは、この状況下で、悩みながらでも前に進む姿。
そして、取材中にずっと見せてくれていた笑顔でした。
「ボランティアって結局、人同士だから毎日色んなことが起こるけれど…話して、違いも含めて理解し合っていくことじゃないでしょうか。」
自然から、災害から、人から、コミュニティから…あらゆる目の前の現実から逃げずに向き合う柏田さんの、芯の強さが…この言葉にはこもっているなと、感じました。
「朝倉市黒川復興プロジェクト」アクセス・住所・営業時間など
住所:〒 838-0072 福岡県朝倉市黒川1537-1 JA筑前あさくら高木支店跡
TEL:080-5074-9104
Email: asakura.fukko@gmail.com
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