糸島産カキ殻・土壌改良剤シーライム|家庭菜園好きが野菜を育てやすい土作り!
【糸島農協×糸島漁協】カキ小屋からでる糸島カキの殻で作られた土壌改良剤“シーライム”。野菜を育てやすい土作りに
家庭菜園がお好き、もしくは興味があるみなさんへ。
特に既に育てている経験者さんや中級者さんにおすすめなのが、福岡県糸島市産の牡蠣殻を使って作られている土壌改良剤の「シーライム」なんです♪
土壌改良剤の「糸島産牡蠣殻石灰シーライム」って?
土壌改良剤「糸島産牡蠣殻石灰シーライム」は、糸島市のカキ小屋で出た牡蠣殻を、サラサラの粉末状に加工したアルカリ性の石灰です。
土壌改良剤とは、野菜作りに適した土にするために、 土壌に与えて土の性質を変えるはたらきを持つ資材のこと。
「肥料?」と思われるかもしれませんが、 肥料は “植物に必要な栄養を補うもの”であり、土壌改良剤は“植物を育てやすいように土自体を改良するもの”です。良く耳にする“堆肥”も土壌改良剤のひとつです。
家庭菜園に必要な道具は主に、プランター、培養土、鉢底石、支柱、ハサミなどですが、土壌改良剤があればより野菜が育てやすくなります。
土壌改良剤には植物由来のものや動物由来のもの、もみ殻を使ったもの、岩を砕いたものなど多数種類がありますが、「糸島産牡蠣殻石灰シーライム」は自然由来の動物性石灰であり、無添加のため環境にも優しくお子さんなどにも安心安全。
野菜栽培にも安心して使用することができます。
そして「糸島産牡蠣殻石灰シーライム」には、初心者が家庭菜園をしやすくなる2つの特徴があるんです!
糸島産牡蠣殻石灰シーライムの役割
1,土のPh調整
土は酸性・アルカリ性といった性質を持っています。特に日本は雨が多い気候のため、土が酸性になりやすい傾向があるのだとか。
じつは、植物の約7割~8割程度は弱酸性の土壌を好むそうです。そこで、酸性の土にアルカリ性の「糸島産牡蠣殻石灰シーライム」を混ぜ込むことで、植物を育てやすい土に整えます。
土壌のPhを調整する役割を持っているんです。
また、石灰の中でも即効性があるものや、効き目の緩やかなものなどそれぞれに特徴があります。
「糸島産牡蠣殻石灰シーライム」は土壌をアルカリ性にするスピードや効き目が緩やかなため「与えすぎてしまった!」という失敗が少ないことから、初心者向けの土壌改良剤といえます。
2,カルシウム補給
土壌改良剤として使われる石灰の中でも、カルシウムを補給できることが「糸島産牡蠣殻石灰シーライム」の大きな特徴。
牡蠣は海で育つ生き物なので、海からミネラルを豊富に受け取っているんです。なんと「 糸島産牡蠣殻石灰シーライム 」には、16種類あるミネラルのうち、マグネシウム以外全て含まれているんですって!
栄養豊富~!!
植物は人と同じで、カルシウムを摂取することにより葉の厚みや硬さが変わってくるそうで「糸島産牡蠣殻石灰シーライム」を使うことによって病気に強くなり、根を鍛える効果も出てくるのだとか。
なんの野菜に使う?|糸島産牡蠣殻石灰シーライム
特に「糸島産牡蠣殻石灰シーライム」を使用するのみ向いている野菜の種類は、
- トマト
- ナス
- オクラ
などです。ナス科の野菜は弱酸性の土壌を好むため、使用することでより育てやすくなるのだとか。
これらの野菜って、初心者が家庭菜園で作ってみたい野菜ランキング上位に入るものですし、初心者でも育てやすい種類ですよね♪ 「糸島産牡蠣殻石灰シーライム」 でより育ちやすくなるなら使ってみたいです!
また、既に育てたことのある方は、使ってみれば葉の厚みなどで育ち方の違いが分かるそうですよ♪
2つの使い方|糸島産牡蠣殻石灰シーライム
1,土に混ぜる・土の上に撒く
土に混ぜたり土の上に撒いたりすることで土の酸性化を防ぐ、発根促進、水の浄化作用、根腐れ防止などの効果があります。
2,お酢に混ぜて葉にかける
葉から直接カルシウムを摂取することで、葉の厚みや硬さが増します。
「糸島産牡蠣殻石灰シーライム」をお酢と混ぜます。コーヒーフィルターで漉したものを霧吹きなどに入れ、植物の葉っぱにかけて使用します。頻度は7日~14日に1回程度。
植物って、栄養は全て根っこから摂取しているのだと思っていました!葉からも吸収できるんですね~。
糸島産牡蠣殻石灰シーライム|誕生秘話
「糸島産牡蠣殻石灰シーライム」ができるには、“糸島”という土地と、多くの人の情熱が関わっていました!
福岡県糸島市といえば、冬の風物詩として「牡蠣小屋」が有名。2018年シーズンには、約58万人の方が訪れるほど人気の福岡観光スポットです。
「糸島産牡蠣殻石灰シーライム」の開発は、糸島牡蠣小屋人気が右肩上がりになってきた時期にスタートしました。
それは、牡蠣をおいしく食べた後の“牡蠣殻”の処理が地域の課題となっていたからです。
はじめ、牡蠣殻は割りばしや紙皿など、他のごみと一緒に“可燃ごみ”として捨てられていましたが、その量は膨大で、当然処理には費用がかかっていました。
そこではじめは、糸島漁協・九州大学・県・当時の前原市・二丈町・志摩町で牡蠣殻リサイクルについて検討を行ってみるも、なかなかうまく進まなかったそう。
その後、JA糸島シタマ石灰㈲が加わり牡蠣殻リサイクル・商品化が進められました。JA糸島は成分分析・育成試験を、シタマ石灰㈲は粉砕・乾燥の研究を、糸島漁協と牡蠣漁師は牡蠣殻分別方法の確立に取り組んだそうです。
今でこそ、糸島の牡蠣小屋にはどの小屋に訪れても黄色と青色のゴミ箱が並べられており、お客さんが当たり前に牡蠣殻を分別している様子が見られます。
ですがその裏側には、お客様や牡蠣漁師さんへ分別の協力を促す声かけを続けるなど、とてもコツコツとした努力があったそうです。
各分野のスペシャリストの研究努力や牡蠣小屋を訪れるお客様、漁師さんの協力により牡蠣殻リサイクルによる「糸島産牡蠣殻石灰シーライム」が商品化されたのです!
地域での循環を目指して。JA糸島とJF糸島が手を取り合う
今回の取材でお話を伺ったのは、「糸島農業協同組合」経済部部長補佐:古藤俊二さんと、「糸島漁業協同組合」課長:鹿毛俊作さんです。
取材の日に鹿毛さんが連れて行ってくださったのは、糸島市岐志漁港にある牡蠣殻置き場。
うわ~!すごい量!
「ここに糸島中の牡蠣小屋の焼牡蠣殻が集められてきます。その量は500トン以上です。前は資源ごみとして焼却処分するのにえらいお金がかかっとったとですが、今ではすべてがシーライムになって有効活用されてます!」
と、鹿毛さん。
JF糸島では、牡蠣を含めた海産物が育つ海を豊かにするための植林活動もおこなっているのだとか。
「この先は、『糸島産牡蠣殻石灰シーライム』を使った地元の野菜作りがしてみたいですね。その野菜が地元で消費され、全てが糸島の中で循環する取組みに出来たら。そして、まずは地元の方にこの取組みのことをもっと知って欲しいと思っています」
と、古藤さん。
古藤さんは「糸島産牡蠣殻石灰シーライム」の取組みに初期から参加。農業界の「ドクターコトー」と呼ばれるほど農業に詳しく、13年ほど前には、既にダンボールコンポスト「すてなんな君」を開発するなどの取り組みを行っていました。
糸島牡蠣小屋の牡蠣は、身は美味しく食べられ、殻はシーライムに加工されます。そのシーライムは糸島の農家さんたちによって土に混ぜられ、豊かな土壌づくりや野菜作りに使用されます。
土壌からは、地下を通って川へと土の養分が流れ込み、最終的に海へと流れます。そしてまた栄養たっぷりの海で牡蠣が育つ…
この糸島地域での循環。世界的な目標であるSDGsの中の12番「つくる責任 つかう責任(持続可能な消費と生産のパターンを確保する)」にもピッタリと当てはまっています。
「糸島産牡蠣殻石灰シーライム」の取組が始まったのは10年ほど前ということで、まだSDGsという言葉がなかったころから、既に糸島では仕組み作りが行われていたのですね!
改めて、素晴らしい取り組みだなと思いました!
糸島産牡蠣殻石灰シーライム|家庭菜園初心者・中級者はぜひ使ってみて
じつは私も、ひとり暮らしの家のベランダで家庭菜園をしています。
「糸島産牡蠣殻石灰シーライム」を土に撒きつつ、自分も地域の活動やSDGsに貢献しているのかな?とちょっぴりワクワク。
もちろん、野菜が出来るのもとっても楽しみです♪「糸島産牡蠣殻石灰シーライム」の力を借りながら、すくすく育つんだよ~!
糸島産牡蠣殻石灰シーライムを購入できる店舗
「JA糸島 アグリ」
住所: 〒819-1321 福岡県糸島市志摩小富士14-34
TEL:092-327-2740