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2022-08-31

STORY 料理研究家:佐藤彰子 – 私にとっての料理、進む道


前書き

「NHKはっけんTV」への出演や、「シティ情報ふくおか」への「地肴魚レシピ」寄稿など、福岡県民なら佐藤先生が活躍する姿を目にしたことがある方も多いかもしれません。

今回お伝えするストーリーの主人公は、料理研究家:佐藤彰子(さとうしょうこ)先生。

福岡県内の魚・地元の素材を使用した料理を作られている佐藤先生。その活動は、福岡県糸島市姫島での「魚捌き教室」や、企業の商品を使ったレシピ開発、専門学校講師など、どんどん幅を広げていっています。

佐藤先生が料理に携わることになったきっかけは?大切にしていることや、料理教室に込めた想い、これからの目標は?

今回の記事で、たっぷり取材してきた佐藤先生のお話を、お伝えしたいと思います。

STORY – 料理研究家:佐藤彰子

食べるのが好き!から、料理の世界へ

小さいころから食べることは大好きだったけど、特別料理に興味があったわけではなかったです。料理を始めた最初のきっかけは、高校生で作り出した自分のお弁当かな。

体重管理……いわゆるダイエットがきっかけで、カロリー計算や栄養バランスを考えて作るお弁当作りにはまったんです。

高校生の頃の佐藤先生

それを知っていた当時の担任の先生が「料理が好きなら、彰子は中村(学園大学)の栄養学科に進んだらいいんじゃない?」と勧めてくれたのが、料理の世界に入ったきっかけです。

その当時は、管理栄養士という仕事についてあまり知らず「管理栄養士ってかっこいい」という漠然としたイメージと、料理の仕事につけたら、という感じでした。

料理研究家を志す

大学ではみんな、国家資格の管理栄養士を目指して勉強していました。もちろん周りは「料理が好き」な人が多く、最初から技術が高い人ばかり。

週に2、3回あった調理実習はすごく楽しかったですが、周りの人と比べても、私は決して料理がうまい方ではなくて。そんな中で、自分が「管理栄養士」として料理に携わる未来がうまく描けなくなり、1年生の途中で退学しようかとまで思い詰めていました。

大学での調理実習の様子

そんなとき、学校の先生に「どうしたら料理がうまくなりますか?」と、尋ねてみたんです。

すると料理教室に通ったらいいんじゃない? みんなと同じことをしていても、同じようにしか成長しないよ。学校の外で料理する時間を作りなさい」とアドバイスをいただきました。

そこで、紹介された料理教室に通いだしました。とにかく続けようと、月に4回、授業外で料理を続けていくうちに少しずつ上達していくのがわかりました。

また、授業を受けるうち、師匠のような「料理研究家」になるのはどうかと考えるようになっていきました。

定年もなく、天井や枠もなく、自分が臨む限り挑戦をし続けられる仕事。そんな風に感じて。

そこで、卒業したら就職させてもらうことを約束し、大学4年生から師匠のアシスタントとして働きだしました。

私の原点:姫島での魚捌き教室

大学卒業後は、6年間修業しました。

アシスタント時代の様子

その後、一度料理の仕事をお休みして、祖父母や母の故郷である姫島に帰り、自分にとってゆっくりと過ごす時間を作りました。

ある日、恩師を訪ねて現状の報告をすると、

「これからは自分のペースで働けるように、姫島に人を呼んで、魚捌きを教える教室をしたら?」

と、アドバイスを受けたんです。

そのアドバイスから「姫島はのんびりしていて癒されるし、私も大好きな故郷。もしかしたら他の人にとっても、良い場所になれるかもしれない」という気持ちが生まれて、月に1度のペースでやってみることに。

姫島での魚捌き教室の様子

最初は手探りで、姫島の祖母にアシスタントをしてもらいながら、私の知り合いを数人集めるところから始めました。

3月~10月を開催期間にして毎年続けていると、糸島だけでなく福岡市内からも多くの人が来てくれ、リピーターで参加される方も多くなりました。

この姫島での「魚捌き教室」が、いまの私の原点となってくれました。

多くの方を笑顔にする佐藤先生の仕事たち

姫島での魚捌き教室からお声かけいただき、今では料理に関する様々なお仕事をさせていただいています。

(その一部を写真と一緒にご紹介します!)

子ども料理教室

☆4歳~小学6年生までを対象にした子供たちへの料理教室

西部ガスリアルライフ キッチン料理教室

☆大人向けのお魚さばきレッスン

NHKはっけんTV「旬の魚!いただきます」

☆九州沖縄“8県(はっけん)”の今を“発見(はっけん)”する番組内のコーナー

放課後地魚倶楽部

「糸島地魚バンク」会員限定、糸島の地魚を使った魚捌きのレッスン

まるきん釣り部

☆釣り人のためのお魚捌き&料理レッスン

佐藤先生が大切にすること:目の前の方の、その向こう側へいる方のことを考えて伝える

お仕事の形は、生徒のみなさんも一緒に料理をする実習型であったり、全ての工程を見ていただくデモンストレーション型であったり、要望や状況によって様々です。

だけど、共通していつも大切にしているのは「目の前にいる方の、その向こう側にいる方のことを考え、伝える」ことです。

例えば、お子さんに料理を伝えるときは、お家でも再現しやすいような調理方法を伝えます。

おうちでもう一度教わった料理をするとき「こんな風にやるんだよ」と親御さんに伝えられたり、再現した料理を食べて「おいしいね」という笑顔の食卓が生まれたり……

この言葉はアシスタント時代、師匠がいつも言われていたことなのですが、今でも本当に大切なことを教えていただいたなと思っています。

力を注ぐ、子ども料理教室

いま私が一番力を入れているのは「子ども料理教室」です。

自分が元々、 食べることは好きだけど料理が得意じゃなく、苦手意識があったからこそ 、小さなころから触れて「料理って楽しいんだ~!」って思ってもらえたらなという気持ちでやっています。

得意じゃなかったからこそ、伝え方や教え方を工夫出来ますよね。

それに、子どもたちは反応が素直で、私も本当に楽しい!

食育という言葉がよく言われるようになって久しいですが、その大切さも伝えていきたいなと考えています。

これからの夢

本当は、料理を選ばなくてもよかったんだと思います。だけど自分ができることの中で、これまでお世話になった「周りの人への恩返し」がしたいと考えたら、やっぱり料理かな、って。

いただいたご縁の中での、仕事なので。これから先も、いただいたお仕事で自分なりの挑戦をし、応え続けていきたいと思います。

そして、自分発信の「魚捌き教室」と「子ども料理教室」は、この先もずっと続けていきたいと考えています。


後書き

今回は、これまであまり深堀されることのなかった佐藤先生の“料理にまつわるストーリー”をお伝えしました。

筆者個人的には、料理が苦手だったからこそ料理を選んだ佐藤先生ならではの選択や、お仕事への向き合い方が、本当に素敵だなと感じています。

そして「もっと福岡」のライターとして様々な福岡の魅力を伝えてきたわたしとしては……これからも佐藤先生に、地元・福岡の食という素材に“料理”という魔法をかけて、その魅力をたくさんの方々に楽しんでいただきたいです!

福岡県糸島市産の天然真鯛と佐藤先生。これからも応援しています!

佐藤先生、長時間の取材、本当にありがとうございました。

料理研究家:佐藤彰子先生の料理教室一覧

子ども料理教室

毎週火曜日:南風コミュニティーセンター調理室

場所:福岡県糸島市南風台8-10-52

毎週水曜日:可也コミュニティーセンター調理室

場所:福岡県糸島市志摩初18番地3

毎週木曜日:東風コミュニティーセンター調理室

場所:福岡県糸島市潤4-10-2

対象年齢:4歳~小学生まで

※「子ども料理教室」は2部制

  • 1部:15:30~16:30(15:20から入室可)
  • 2部:16:30~17:30(16:20から入室可) 

◆ 子ども料理教室のお問い合わせ先: https://satoshoko.jimdofree.com/

糸島市姫島での魚捌き教室

場所:福岡県糸島市姫島 島内にて

https://satoshoko.jimdofree.com/

西部ガスリアルライフキッチン料理教室

主催:西部ガスリアルライフ福岡

場所:〒815-0035 福岡県福岡市南区向野2丁目8番18号

◆ 詳細・料理教室の申し込みはこちらから(公式HP)>>

※料理教室の内容や開催時期は都度変わります。詳しくはHPよりご確認ください。

料理研究家:佐藤彰子 プロフィール

福岡県糸島市生まれ。

祖父が糸島市姫島で漁師・海士をしていたこともあり、幼少期より魚が身近にある環境で育つ。

中村学園大学卒業後、市内クッキングスクールにて6年間料理講師・マネージャーを務める。

退職後は、魚のさばき方や魚料理を中心とした料理教室「IZUMI」を主宰し、福岡市・糸島市を中心に活動。親子や子供を対象とした教室も開いている。

また、料理研究家として、TVやラジオに出演。

現在、NHK「はっけんTV」第2週金曜日にレギュラー出演。魚さばきとアレンジ料理を紹介する「旬の魚いただきます!」コーナーの講師を務める。

魚のさばき方や福岡の伝統食を伝える活動にも力を入れており、幼稚園小学校中心に食育活動も行っている。


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