春日のカフェが産地と住宅地をつなぐ|idobata(イドバタ)春日
焼き芋と珈琲| 春日のカフェ「idobata(イドバタ)」
ごく一般的な住宅街。歩きながらふと見上げると突如見つかる「焼き芋と珈琲」 という大きな筆文字 。
「焼き芋と珈琲?!」と驚きながら扉を開け、階段を上ると……ここはおしゃれなカフェ?
今回「もっと福岡」がご紹介するのは、 福岡県春日市にある「idobata(イドバタ)春日」さん。
一見、おしゃれなカフェに見える「idobata春日」さんは、“産地と住宅地をつなぐ”というコンセプトを掲げた“カフェとキッチンとシェアオフィス”を兼ね備えた新しい場所です。
2022年10月末で開店して約1年。そのコンセプトや“焼き芋”の筆文字にも興味をそそられる「 idobata春日」さん。今回お話を伺った店主:ほんだこうへいさんの活動をお伝えします。
産地と住宅地をつなぐ~焼き芋から始まる物語|春日のカフェ「idobata」
お店の外にデカデカと掲げてある“焼き芋”の文字。
「idobata春日」で注文できる焼き芋ですが、カフェメニューとしてはちょっと珍しいですよね。
なぜ、カフェであえて“焼き芋”を出すことにしたのでしょうか?
「立ち上げ時にカフェメニューを考えていたとき、僕の中でいくつか条件がありました。
1つ目は、『idobata春日』は天神や博多のようなアクセスの良い場所にないので、食品を仕入れてからお客様に食べていただくまで時間がかかるなと考えていたことから、保存の利くもの。
2つ目は、“人が集う場所になるように”という想いを込めた『idobata』(井戸端)という名前に合うもの。
そのほか、僕自身がダイエット中だったので、砂糖を使わなくても甘いものとか、大多数の方が好きなものとか、諸々を考慮して、焼き芋になりました」
そしてこの焼き芋が、“産地と住宅地をつなぐ”メニューの第1弾に。
「『idobata春日』はDIYで作った店舗ですが、そのとき力を貸してくださった大工の方がたまたま種子島出身で。種子島といえば『安納芋』ということで、生産者さんを紹介していただきました」
食材をただ仕入れて調理するだけではなく、作り手とお話しし、生産への想いや育てる難しさ、背景にあるストーリーを共有、自分なりに理解して、お客さまにもお伝えします。
そうすることで、そのメニューはお客さまにとって“ただ食べる”だけのものではなく、親しみが湧き、『この人のものが食べたい!』という特別な付加価値のあるものに変わります。
そしてそれが結果として『idobata春日』に足を運んでいただける、お店自身の付加価値にもなるのではないでしょうか」
春日のカフェが「なぜ産地と住宅地をつなぐのか?」idobata春日の役割
お話を伺いながら「idobata春日」店内を見回すと、カウンター内に大変立派な業務用のスチコン ( スチームコンベクションオーブン)が。普通のカフェではなかなか見かけない設備です。
「これ、じつは投資なんですよね」
と、ほんださん。
「店で仕入れている各産地の原材料は、もともと強いこだわりやストーリーがあるモノばかりをセレクトしています。情報量も多くスピードも早い都会と違い、住宅地にあるお店で、商品の物語を伝えることは、お店の運営にとっても、お客様の生活の質の向上にとっても、重要だと考えます。
『idobata春日』ではこれら商品の販売ももちろん行っていますが、お店でひと手間かけて調理することで、さらなる付加価値をつけてお客様にお出ししています」
産地と住宅地をつなぐ活動1 – 部活動|はねけん
そしてその調理は、なんとお客さま自身が行うんです!
「idobata春日」では、週に1度、お客さま同士でカフェメニューを考える「羽釜炊き込みごはん研究会」 :通称「はねけん」が行われています。
「idobata春日」で仕入れている産地の素材を活かしたメニュー開発が行われ、実際にお店で提供されているものも。
この部活動は「idobata春日」に来ているお客様の行動により自然発生的に生まれて、みなさんイキイキと自主的に取り組まれているそうです。
メンバーは主婦のみなさんが中心となっていて、元々料理やお菓子作りが得意な方も。「お客さんの目線」「お母さんの目線」を自然と持っているみなさん。意見の交換も活発です。
お客さま自身がメニュー開発に取り組み、新たな付加価値をつける“部活動”。 メニューが採用されるとやりがいも感じます。すっごく面白い取り組みですね!
産地と住宅地をつなぐ活動2 – お菓子作りワークショップ
また「idobata春日」では、「もっと福岡」とのコラボ企画で、産地の方と直接会い、交流できるワークショップも開催されています。
第1回目は、江戸時代から250年以上続く福岡県八女市の老舗小麦粉メーカー「田中製粉」さんの福岡県産「かめ印の特上小麦粉」を使ったお菓子作りワークショップ。
参加された方は、作り手さんと実際にお話しし、商品づくりへの想いや製造のこだわりを聞きながら行うお菓子作りをとても楽しまれていました。
ワークショップで使われた「かめ印の特上小麦粉」は、もちろん「idobata春日」で購入可能です。
また、ワークショップを楽しんだ後には、早速、参加した「はねけん」メンバーによる「かめ印の特上小麦粉」を使ったメニュー開発がスタートしたそう。
ワークショップ中には既に「こんなの作ったら美味しくできるんじゃない?」という会話が生まれていました。
部活動ではスチコンもフル活用され、完成したお菓子のクオリティの高さはピカイチ。
将来的には、お客様自身が「idobata春日」の設備や産地素材を活かしたお菓子を開発製造し、お店の外でイベント販売することまで考えているそう。
「idobata春日」が菓子製造業の販売免許を取得しているからこそ、できることです。
春日のカフェ|idobata春日の最終目標
「『idobata春日』の最終目標は、来てくださっているお客様の人生が豊かになることです。
豊かになるとは何か?自分なりの答えは「その人の選択肢を増やすこと」だという考えに至りました。
主役は来てくださっているみなさんで、『idobata春日』はあくまで舞台であり、支援者です。
“産地と住宅地をつなぐ”のは『idobata春日』の役割。その素材を使って、みなさんがイキイキと交流し、情報交換をしたり……。
さらにもう1歩進んで、商品をこの場所で製造し、イベントで販売するような“生み出す力” “生きる力” を身に着ける場所になれたらいいなと思っています。
まだまだ発展途上ですので、これからもチャレンジしていきます」
と、ほんださん。
これは、本当にただのカフェではありません!この場所だからこそ得られることが、たくさんありますね。
あなたにとってのidobata春日は?
- カフェメニューを楽しむ
- 産地や生産者のストーリーを知る
- 販売されている商品を買って自宅で楽しむ、贈り物にする
- 生産者と繋がるワークショップに参加する
- お菓子やほか飲食物の製造・販売をする
これらは全て「idobata春日」で出来ることです。
福岡県春日市にある「idobata春日」。お近くの方や、興味を持たれた方は、ぜひ一度訪れてみては?
活用の仕方は人それぞれ。まずは、足を運んで店主:本田さんに産地のお話を伺うでも良し。カフェメニューで食べて楽しむも良し。商品を購入するでも良し。
一歩進んで、ワークショップや部活動に参加してみても。
“産地と住宅地をつなぐ”「idobata春日」。
あなたにとって、“知る”“食べる”“体験する”“生み出す”などを通して、人生を豊かにするものが見つかる場所です。
idobata春日インフォメーション
住所: 〒816-0851 福岡県春日市昇町6丁目76番地3階
アクセス: JR 春日駅・西鉄春日原駅より、西鉄バス1番線・2番線で「大土居」にて降車ください。フタバ図書のある方へ、いけいけ通り沿いに徒歩5分ほどのところにあります。
TEL:092-707-9507
営業時間: 月曜日、火曜日、木曜日、祝日、祝前日: 12:00~21:00 (料理L.O. 20:30)
土曜日:15:00~23:00 (料理L.O. 22:30)
定休日:水曜日
公式HP:https://kasuga.idobata.media/
インスタグラム:https://www.instagram.com/idobata_kasuga/
facebook:https://www.facebook.com/idobataKasuga