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2021-05-23

彩果農園Story01|あまおういちごで新規就農-家族との時間を両立する働き方


みなさん、農業に興味ありますか??

みなさん、農業をやってみたい!と思ったことはありませんか?

以前に比べ、新規就農を希望する方が多くなっているそうですが

「すごく忙しくて、仕事以外出来なさそう」
「実家が農家をやっている人が継ぐ職業」

そんなイメージがある方が多いのではないかと思います。
実は私も、この取材に伺うまでそのようなイメージを持っていました。

福岡で新規就農であまおういちごを栽培する彩果農園のパッキング

しかし「家族との時間をしっかりと確保したい」という理由から脱サラし、夫婦ふたりであまおういちごを栽培する農業を始めた方がいます。

それが今回をお伺いした福岡県筑後市「彩果(いろか)農園」代表の油小路隆敏さん。

福岡県筑後市で新規就農であまおういちごを栽培する彩果農園

奥様の地元である福岡県筑後市であまおうのいちご農園を営んでいらっしゃいますが、ご実家が農家だったわけでも農業学校出身でもないそうです。

新規就農であまおういちごを栽培する彩果農園(福岡県筑後市)

そんな油小路さんがなぜ「農家」という道を選んだのか、そして「農家」として生きる今を、全3回にわたってお送りします。

農業とは真逆?IT企業での多忙な日々…

油小路さんは奥様とお子様3人の5人家族。

大手のIT企業に勤められていました。
お仕事自体はとても楽しくやりがいもあり、特に不満はなかったそうです。

会社員時代の油小路さんご夫妻

しかし、転勤や出張が多く、働く時間はとても長い…会社が遠いため出勤に時間もかかる…そのためご家族との時間が一切取れなかったのだとか。

サラリーマンを続けると家庭と仕事の両立は難しい…家族と過ごす時間を大切にしたいという思いから、奥様と話し合い「1から自分たちの生活スタイルをつくろう!」と離職することを決意されました。

そんな時、情報収集として訪れた農業フェアで初めて「農業」に出会ったのだそう。

ブースで生き生きと農業を紹介する方々。
「新しい人にどんどん農業をしてほしい!」という熱い思いに胸を打たました

さらに「就農支援」がとても手厚く、免許も不要だったことがポイントとなり、農家への道を決意されたそうです。

福岡で新規就農であまおういちごを栽培する彩果農園のパック詰め

農業を始めるのはハードルが高そうですが、実際には始めやすい分野であることを私も今回初めて知りました。

周りからの心配の声はとても多かったそうですが、奥様の故郷である福岡にIターンし農家としての一歩を踏み出されます。

はじめての農業…一筋縄ではいかなかった

福岡で新規就農であまおういちごを栽培する彩果農園の油小路さん

福岡に引っ越したはいいけれど、実際にどうすれば農家になれるのか…
市役所に相談に行った油小路さん。

そこで福岡県八女市の農協が「農業一期生」を募集していた事で、農家の活動をはじめられたそう。

農業って自分自身で好きな作物を作るのが一般的なのかな…と思っていたのですが、実は新規就業だと作物の種類を選べないことも多いんだとか。

トマトかいちごの選択肢があった油小路さんは、お子様がいちごを好きなこと・将来的に加工食品にもできそう…という理由からいちごを選ばれ、今に至ります。

しかし、すべてが初めてのこと。苦労もたくさんあったようです。

まず自分たちだけでは、農園のための土地を貸してもらえない。
土地がなければいちごを育てることすらできないので、お話を聞いているだけでもその大変さは私の思う以上だったんだろうなと考えさせられます。

福岡で新規就農であまおういちごを栽培する彩果農園のハウス
彩果農園のあまおういちごを栽培するハウス

その後JAの方の協力を得ることで、借りることはできたそうですがそこからも苦労の連続…。

13年使っていない土地を修繕…
そして慣れないいちご栽培…
1年目は、雑草の生える力が強すぎていちごに巻き付くなどのトラブルもたくさんあったんだそう。

新規就農であまおういちごを栽培する福岡県筑後市の彩果農園

さらに大雨や浸水…
いちごが出来すぎて人手不足…

福岡県へのIターン新規就農であまおういちごを栽培する彩果農園の油小路さん

聞いているだけで苦労されたことがわかります…

「大変ではなかったですか?」と聞いてみると…

Iターンで福岡へ。新規就農であまおういちごを栽培する彩果農園の油小路さん

「つらかったです。この時期はどうやって生活していたのかもわからない。
でも、今日ダメなら明日、去年ダメでも今年…とやったことがきちんと結果になっていくのがすごくうれしいんです。農家になったことへの不満はないですよ!」という油小路さん。

そして、2020年シーズンからは新たにスタッフを迎えて、将来に向けた組織づくりに目を向けられています。

すべては自分の時間の使い方次第

「家族と過ごす時間を確保したい」という気持ちで脱サラされた油小路さん。

福岡で新規就農であまおういちごを栽培する彩果農園のパッキングする油小路夫妻

一般的には「とにかく時間がなさそう」「自由もなさそう」「収入は安定するのかな」なんてイメージがある農家さんですが、いちご農家をはじめられて5年ほど経った今は実際どうなのかと伺ってみると、

「すべては自分の時間の使い方次第。
サラリーマン時代と比べて家族と過ごす時間や、自由に過ごせる時間が格段に増えました。子どもと長い時間一緒に過ごせて、すごく嬉しいです!」

と、私のイメージとは真逆の時間を過ごされていることにびっくり!

なんと奥様は美容サロンも経営されているそうで、農家=副業という今まで考えたこともなかった働き方ができることにも驚きを隠せません…!

また、失礼とは思いつつ収入に関しても伺ってみましたが

「JAの基準に満たしたものだけが出荷できるので、その基準になるまでは確かに大変です。でも、これが作れるようになれば生活に困ることはないですよ!」という油小路さん。

Uターンで福岡へ。新規就農であまおういちごを栽培する彩果農園

もちろん大変なことも多いですが、大切なご家族との時間を過ごしながら「やったことのない新しいことにチャレンジできるのがとても楽しい!」とお話される姿はキラキラしていて、今の生活に満足されていることが強く伝わってきました!

農業の世界へ…踏み出したいと考えられている方へ

いかがですか?

油小路さんが経験した農業への新規就業の様子から、今まで勇気がなかった農業の道へ踏み出してみよう!と思ってくださった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

私自身も「自分次第なのか!」と今までのイメージを覆されました。

あたたかさも伝わってくる油小路さんの経験から、農業に踏み出せる方が増えたら嬉しいです。

Uターン&Iターンで福岡へ。新規就農であまおういちごを栽培する彩果農園の油小路ご夫妻
油小路夫妻・加工品開発のために冷凍している規格外品のあまおういちご

伺っているだけでワクワクする「彩果農園」さんのお話。
みなさんにはもっともっと農業と「彩果農園」さんの素晴らしさを知ってほしい!

…ということで次回は「彩果農園」さんが、「夫婦ふたり」で始めた農業から徐々に「仲間との農業」、新規就農から5期目にして、地域の人たちと繋がりながら「農業の組織化」へ活動を始めているお話をご紹介したいと思います。

ぜひお楽しみに~!

彩果(いろか)農園|インフォメーション

〒833-0047 福岡県筑後市若菜立萩121-1

◆彩果農園インスタグラム>>>


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