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2017-11-20

【第4回】-石炭王・伊藤伝右衛門名残りの館で【九州北部豪雨災害のあと。東峰村・朝倉市特集】


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「まだ被害が把握出来てない所もあり、廃業を選ばざるを得ない状況の方がいらっしゃいます。」

 

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「ヒトによって、被害を受けた状況や感じ方、お気持ちに違いがありますから…一概に『こうしてくれたら嬉しい』とは言えない状況があります。

そうだ。【九州北部豪雨災害】とひとくくりには出来ないのが当然。だからこそ、自分が出来ることは何か?考え続けることが大切なんだと、記者は感じたんです。

 

第4回【株式会社 宝珠山ふるさと村:高倉敬至さん・山村文化交流の郷 いぶき館館長:伊藤茂広さん】

東峰村・朝倉市を特集でお伝えする企画の第4回目に私達がお話を伺ったのは、株式会社 宝珠山ふるさと村:高倉敬至さん・山村文化交流の郷 いぶき館館長:伊藤茂広さんです。

 

宝珠山はかつて炭坑で栄えた村

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「宝珠山村の人々は元々、石炭を掘り、自分達の燃料として使っている時代がありました。

明治45年、筑豊(飯塚市)の石炭王・伊藤伝右衛門(いとうでんえもん)が、宝珠山の石炭の質が良いことに気づき、辺りの調査をさせました。

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伝右衛門は一帯の土地を買収後、「伊藤合名会社宝珠山炭坑」を作り、宝珠山の炭坑は更なる発展を遂げることになります。

その後、日本近代化の一翼を担った宝珠山の炭坑は、エネルギー革命により昭和38(1963)年に完全閉山しました。」

 

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今回ご紹介している「いぶき館」は、現在の飯塚市にあった伊藤伝右衛門の邸宅の一部を宝珠山紙屋に移築して、宝珠山炭坑幹部社員の社交場「炭坑クラブ」として使ったものと伝えられている建物です。

現在のいぶき館では、宝珠山の炭坑として栄えた歴史資料などを閲覧することが出来ます。

 

村の特産品を製造しよう!株式会社宝珠山ふるさと村

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「いぶき館」には、宝珠山ふるさと村の作った、宝珠山の特産品である「柚子」「棚田米」の商品・加工品が置いてあるショップが併設されています。

 

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なんと「宝珠山ふるさと村」の社長は、東峰村の澁谷村長なんだそう!(澁谷村長へのインタビュー記事はコチラ>>>

東峰村の活性化のために、6次化産業に取り組んでいるんです。

 

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「これらの商品は、元々、東峰村の特産品である柚子を、秋の収穫時以外も1年中加工して販売できるように、ということから開発が始まったんです。収穫後、種とヘタを取ってミキサーにかけ、ペーストにして保存・加工しています。」

 

内容量の40%が柚子だという(!)柚子と米酢のドレッシング。ちょこっと個性的な味だそう。

内容量の40%が柚子だという(!)柚子と米酢のドレッシング。ちょこっと個性的な味だそう。

 

(左)割って呑む、アイスにかけるなど多様な使い方で楽しめる濃縮タイプの柚子ジンジャー。 (右)「いくら払ってでも食べたい~!」と、リピーター続出の大人気!棚田米。

(左)割って呑む、アイスにかけるなど多様な使い方で楽しめる濃縮タイプの柚子ジンジャー。 (右)「いくら払ってでも食べたい~!」と、リピーター続出の大人気!棚田米。

 

柚子といえば!緑が鮮やかな柚子胡椒。

柚子といえば!緑が鮮やかな柚子胡椒。

■これらの商品を、福岡県の中心部・福岡市でも購入できる場所があります!詳細はコチラ>>>

 

「宝珠山」は、俳優:高倉健とご縁のある土地?!

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伊藤伝右衛門(いとうでんえもん)の作った会社「伊藤合名会社宝珠山炭坑」では、かの高倉健さんのお父さんが幹部として働いていたそう!

単身赴任をしていたお父さんに会いに、高倉健さんは宝珠山をよく訪れていたのだそうです。

 

高倉健さんに会いに、宝珠山に来るのも良いかも

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そのご縁から、現在「いぶき館」では高倉健さんに関連するポスターや書籍等を展示した「高倉健展」を開催しています。高倉健さんが、村長に宛てて書いたお手紙も…! ※企画展なので終了する場合もございます。

遠くは北海道から訪れる方がいらっしゃるそう!高倉健さんのファンの方は、訪れたらかなり楽しめそうです!

 

その後は、宝珠山のある東峰村の、素敵スポットも一緒に訪れてみてくださいね♪

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■隕石がご神体?!自然と一体化した「岩屋神社」>>>

 

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■地元の特産品と、40軒以上の小石原焼の窯元が大集合!「道の駅小石原」>>>

 

私達に何ができる?に、正解はないのかもしれないけれど

商品・施設のお話の後に、九州北部豪雨災害についても、高倉さんと伊藤さんに伺ってみました。

 

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高倉さん「柚子の畑は、かなりの面積が九州北部豪雨で流されてしまいました。柚子は、実が成るまでに10年程度かかりますから、柚子の生産を諦めざるを得ない状況の方もいらっしゃいます。

また、棚田に関しても、全体の被害が把握できていないくらい流されてしまっているところが多いです。一度流されてしまうと、砂利が入ったりなどして、土の質が変わってしまうため、お米作りを再開するのは難しいんですよね。」

 

伊藤さん「実はこの『いぶき館』も土砂で埋まっていたんですよ。元に戻すまで3ヶ月程かかりました。」

柱の下の方の色が違うのは、土砂に埋まっていたからなのだそうです。

柱の下の方の色が違うのは、土砂に埋まっていたからなのだそうです。

 

記者「私達に、いまこうして欲しいという要望などはありますか?率直に教えてください。」

 

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伊藤さん「そうですね…ヒトによって、被害を受けた状況や感じ方、お気持ちに違いがありますから…騒がず、そっとしておいて欲しいと感じる方もいらっしゃいます。一概に『こうしてくれたら嬉しい』とは言えない状況がありますよね。」

 

…!

そうですよね。ひとくくりに【九州北部豪雨の被害を受けた人々】とは、言えるはずがないんですよね。

「じゃあ、何をしたら良いのか?」

皆さんこう考えるのではないでしょうか。私も、今でもそうです。

 

場所によって、被害の状況も復興の進み具合も様々なんです。

場所によって、被害の状況も復興の進み具合も様々なんです。

 

でも、だからこそ…自分の中でしっかり考えて答えを出し、行動をすることを私達は大切にしたいと感じます。

私達にとっては【現地の方に聞いた言葉を、みなさんにお伝えすること】

この記事を読むみなさんの「私には何ができる?」を考えるための情報源としてしっかり伝えていこうと決めて、第4回の記事を締めくくりたいと思います。

「いぶき館」「株式会社宝珠山ふるさと村(いぶき館内)」アクセス・住所・営業時間など

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住所:〒838-1702 福岡県朝倉郡東峰村大字福井2296-1

TEL:0946-72-2232

営業時間:9:00〜17:00

店休日:火曜日・年末年始(火曜が祝日の場合は翌日)

駐車場:有り

入館料:大人300円(250円)、小中高生150円(130円) ※( )は15人以上の団体料金です。


【アクセス】

「塔の元」交差点から国道211号線を宝珠山方面へ下り、車で約4分

 

■「九州北部豪雨のあと、みなさんに会いに。」東峰村・朝倉市特集ページへ>>>


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