京築ジンジャープロジェクト|生姜で広がる地域活性化|苅田町・トリオレ
福岡の京都?京都郡苅田町とは
福岡県の北東部に位置し、北九州市と接する「京都郡苅田町」。
福岡県民になって間もない私は、「えっ、福岡に京都?」という疑問が。調べてみると、「みやこぐんかんだまち」と読むんですね!
地名の由来は、大和時代に景行天皇が九州に来られた際に、仮の御殿を建てて滞在されたことだそうで。思わず、へぇ〜!と言ってしまいました。
そんな苅田町の”ある方”を中心に「生姜で地域を盛り上げたい!」と活動されているプロジェクトがあります。
早速、取材に行ってきました!
京築(けいちく)ジンジャープロジェクト|生姜で地域活性化!
「京築ジンジャープロジェクト」は、「けいちく生姜」を使った特産品を作り、京築地域を盛り上げようと活動されている団体です。
(※「京築地域」とは、北九州地方の南東側に位置する行橋市、豊前市、京都郡、築上郡の2市5町を指します。)
最初は発起人の寺尾さんと農家さんの5人ほどで始まった活動も、今は加工者さんや様々な役割のメンバーが集まり、総勢30〜40人ほどに!
そして、活動は今年でなんと7年目。今回お話を伺った寺尾さんいわく、
「メンバーそれぞれに仕事や家庭の都合があるので、『できる人ができるときに』をモットーにしています。お互いに助け合って、必要な時はコアメンバーも変わりながら、無理のないように続けられることを考えています。」
なるほど。メンバーの皆がお互いに助けあって、無理せず続けること。これがプロジェクトが長く続く秘訣なんですね。
7年も続くプロジェクトですが、実は生姜はもともと京築地域の特産物ではなかったのです!
じゃあどうして生姜なの?
それはプロジェクト発起人の寺尾さんが、『生姜であれば様々な人や物が関われる』と思ったから。
これまでに作られた商品は、ジンジャーシロップをはじめ、生姜ペーストを使った甘酒や唐揚げ、生姜パウダーを使ったパンやクッキー、ドレッシングなどの食品、さらには石鹸やバスボムなどの美容グッズなど、本当に様々。
商品のラインナップを聞いて、なるほどな〜と思いました。
生姜って料理なら和でも洋でも使え、さらにお菓子や日用品など、幅広く色々な分野で活用できるんですね♪
こうして地道な活動がじわじわと広がり、「けいちく生姜」を使った商品が特産品として定着してきたのです。
お話を伺ったのは寺尾咲子さん(洋菓子工房トリオレ)・金子陽子さん(アロマガーデンしずく)
今回はこちらのお2人にお話を伺いました。
プロジェクト発起人の寺尾咲子さんは、パティシエのご主人と一緒に「洋菓子工房トリオレ」を経営。管理栄養士の資格をお持ちで、体に優しいオリジナルのジンジャーシロップを作っておられます。
お話を伺うなかで、寺尾さんのポジティブなお人柄が農家さんやメンバーを惹きつけているんだな、ということがすぐに感じられました。
金子さんは「アロマトリートメントサロンしずく」で、心と体を癒すセラピストさんです。ジンジャープロジェクトではプロモーション担当で、マルシェの実行委員長という重要なポジションを担っています。
しかし、もともとは個人的に活動を応援していた側だったそう。
金子さんも、寺尾さんの魅力に惹きつけられたお一人なんですね。
きっかけはお母さんが育てた生姜で作った「ウェルカムドリンク」
他のまちの事例を知り、何か特産品を作れば京築地域を盛り上げることができるのではないか、とかねてより思っていた寺尾さん。
きっかけになったのは、寺尾さんのお母さんが農業をされていて、作った生姜をもらって試しにジンジャーシロップを作ってみたことだったそうです。
そのジンジャーシロップを水やお湯で割り、「ウェルカムドリンク」としてトリオレにきたお客さんに飲んでもらうことに。
すると、これがお客さんから大好評!ある時、「このシロップを売ってほしい。」とお客さんから言われ、「これだ!」とビビっときたそうです。
取材に伺った際、実際にウェルカムドリンクとしていただいたジンジャーエール。
取材の日は本当に暑かったのですが、ジンジャーのアクセントが効いたすっきりとした味が体に沁みました!
とってもおいしかったです!ごちそうさまでした。
0から始めたけいちく生姜の栽培
実は、7年前には苅田町では生姜はほとんど栽培されていませんでした。
(私はこのことに衝撃を受けました!!)
しかし、寒暖差のある気候や苅田町の土壌は生姜の栽培に適していたため、ブルーベリーやレモンなどを契約していた農家さんにお願いして、生姜をつくってもらうことに。
「農家さんも初めての生姜の栽培。一人ひとりができるだけ農薬を使わずに、栽培方法にこだわり試行錯誤しながら作ってもらってるんです。」
農家さんもまた、寺尾さんのお人柄に惹かれて協力したい!という気持ちになったんだろうなと、聞いていて温かい気持ちになりました。
京築ジンジャープロジェクトで大変だったこと
寺尾さんに「これまで大変だったことは何ですか?」とお聞きすると、真っ先に「生姜がないと何も始まらないことですね。」と仰っていました。
確かに。素材がないと何も始められない、何も作れないというのは、ものづくり共通のことですよね。
「そもそも生姜づくりは土が難しいと言われる中で、農家さんも初めてのことが多く、うまく栽培できない年もあるんですよね。」
「他にはありますか?」とお尋ねすると、「他にですか?あぁ、そういえば。」と何かを思い出したように話し出す寺尾さん。
「農家さんが収穫された生姜が一気に集まって、トリオレの駐車場に山積みになっちゃって。悪くなる前に一人で生姜の下準備をしなきゃいけなかったことですかね。」と。
(いや、結構大ごとですよね!笑)
それ以来、保存方法や保管場所を地道に探したり、農家さんと納品までの流れやスケジュールを作ったりと、仕組みづくりを行ったそうです。
ジンジャープロジェクトの人気商品・レシピを紹介
「けいちく生姜」をつかったおすすめ商品をご紹介します♪
ジンジャーシロップ(洋菓子工房トリオレ|苅田町)
生姜の味がしっかりしているけれど、辛すぎずスッキリとクセのないシロップ。
私たちもいただいた炭酸割りは、そのスッキリした甘みとほどよい生姜のアクセントが効いていて、暑い夏にはゴクゴク飲めます!
冬はお湯割りに、ビールと合わせれば自家製シャンディガフとしても!
生姜焼き、手羽元の煮付けなどの肉料理、プリンやフレンチトーストなどのスイーツにも使えるので、1本あっという間に使ってしまいそうです!
げんさんの肉味噌 (源さん|苅田町)
生姜の酵素を使った肉味噌。醤油の味が効いていて、ご飯やお豆腐に合わせれば、お箸が止まらない一品。
お話をお聞きするだけで、お腹がグーっとなりそうでした。笑
テレビにも取り上げられて、プロジェクトメンバーも一押しの商品です!
炊き込みご飯の素 (丸蜂食品|行橋市)
こちらは、かしわやごぼうとの相性抜群で、子どもから大人まで大人気の商品。
ほかほかの炊き立てご飯にまぜるだけで、手軽においしく栄養も取れますね。
他にも、甘酒やドレッシング、ふりかけなどの食品、唐揚げや餃子などのお惣菜、バスボムや石けんなどなど。
一部商品は「京築ジンジャープロジェクト」公式オンラインショップや「トリオレ」さんで。ほか商品はマルシェなどでお求めいただけますので、今後の動きを要チェックです!
★公式オンラインショップやイベント情報が分かるInstagramは記事最後でご紹介しています。
★「けいちく生姜」を使用した「かなえ工房」さんの玉ねぎドレッシング「たまっしんぐ」取材記事はこちら
今後の展望|京築ジンジャープロジェクト
最後に、今後の展望についてお聞きしました。
「『京築ジンジャープロジェクト』の活動がもっと広がっていって、京築地域がより活性化していくといいなと思います。そのためには息の長い活動が必要なので、今の良い雰囲気と活動スタイルを維持していくために工夫し続けることが大切だと思っています。」
この一言に、活動を長く続ける秘訣が詰まっているんだなぁと改めて感じました。
また、今年のイベント情報もお聞きしました。
「ジンジャープロジェクトでは、今年もマルシェ「神社でジンジャー」(キャッチーなネーミング!)を計画中なんです!
『けいちく生姜』を使った商品の販売や、飲食ブースもあります。
とれたてで葉付きの生姜を買えるのが人気でリピーターさんが多く、『今年はいつするの?』と問い合わせももらっているんですよ。」
神社でジンジャー!
聞いているだけでワクワクするイベントですね!秋頃の開催をお楽しみに!
色々な楽しみ方のできるジンジャープロジェクトの商品を手に入れて
「けいちく生姜」を使った特産品を作り、京築地域を盛り上げようと活動されている団体「京築ジンジャープロジェクト」。
「京築ジンジャープロジェクト」は、活動するみなさんはもちろん、商品もとっても魅力的でした!
活動に興味がある方はまず、京築地域へお出かけの際に、イベントや店舗に立ち寄ってぜひ商品を手に入れてみてくださいね!
遠方の方は、ECサイトでも一部購入可能です♪
購入できる場所|京築ジンジャープロジェクト
【実店舗】
・洋菓子工房トリオレ
★一部商品のお取り扱い。詳しくは下記連絡先よりお問合せください。
住所:〒800-0352 福岡県京都郡苅田町富久町2丁目35−11
TEL:093-436-4306
【オンライン】
「京築ジンジャープロジェクト」公式オンラインショップ:https://triolet.thebase.in
京築ジンジャープロジェクト|インフォメーション
住所:〒800-0352 京都郡苅田町富久町2丁目35−11
TEL:090-8409-0527
担当:寺尾 咲子
★イベントなど、リアルタイム情報は公式Instagramにて。
https://www.instagram.com/keichikuginger/