福岡県小郡市名物ジビエ「鴨料理」を支える!鴨猟師さんのおはなし
福岡県小郡市名物「鴨料理」を支える!まるでタイムスリップしたかのよう・・・鴨猟師さんのおはなし
最近はジビエ料理、移住、働き方の多様性など様々な影響で「猟師」という職業も有名になってきました。
そんな中、福岡県小郡市に「鴨猟師」さんがいることをご存知ですか?
「鴨の肉」自体、牛・豚・鶏ほどメジャーではないので「食べたことはない」という方も、案外いらっしゃるかもしれませんね。
ため池の多い小郡市は、昔から鴨の飛来地
農業が盛んでため池が多い小郡市は、冬になると鴨がたくさん飛来し、昔から鴨猟が盛んでした。
そのことは江戸時代の書物「鴨上納古文書」にも記されています。
同じ鳥肉でも鶏に比べ味が濃厚で弾力もあり、 口に入れた途端に、鴨肉独特の風味が広がって・・・
↓ 鴨肉の詳しい美味しさについては、こちらの記事をご覧ください!! ↓
「ところで、鴨は誰が、どうやって捕まえてくるの?」
「もっと福岡」記者たちの好奇心はむくむくと湧き、色んな方を通じて取材を頼み込み、ベテラン鴨猟師:天本美博さんにお話を聞くことができました。
小郡市特有の狩猟法「無双網」
小郡市の鴨猟(種類は真鴨だそう)は特徴的な「無双網」という狩猟法を用います。
こちらがその「網」。
網目の大きさは、一番小さなコガモが出ない大きさで編まれています。
実際に罠を仕掛けている場所まで案内していただきました。
小郡市の住宅地から車で5分もしないうちに、もう山の中!
そのことに驚きを隠せない取材陣。
車を降りて、森の中をどんどん進んでいくと・・・ぱっと開けた場所にため池がありました。
鴨は開けた場所に餌を探し求めにくるのだそうです。
よくこんなうまい場所があったものだなあ・・・と思っていると、
「このため池は昔は水田で、水田の周りはうっそうとした森やったんやけどね。全部自分で木を切ったんよ」
ええー!この広さを全部・・・??
狩猟場作りは、森を切り開くところからなんですね。
無双網は、池の土手に網を張ります。
野生の鴨はとても人の気配に敏感なので、前もって餌を撒いておきます。
餌にも鴨肉の美味しさの秘密が!
昔は籾殻を餌にしていましたが、現在は池底に沈む青米。
この餌にも美味しさの秘密があります。
海岸沿いで貝などを食べる「海ガモ」は、その餌のせいか臭みが強く、クセが強いのが特徴。
しかし穀物を食べる「陸ガモ」は、その独特の臭みがなくなるのだそうです。
罠を仕掛けたら、鴨から見えない位置へ・・・
ため池の上方に小屋が見えているのがわかりますか?
鴨から見えない位置にある小屋で、だんだんと鴨が集まってくるのを待つのです。
そして頃合いを見計らって針金を引くと、網が鴨の群れの上に被さり捕らえることができるという仕掛けです。
この細い針金がずっと小屋までつながっています。
この仕掛け、同じ小郡の鴨猟師さんによってさまざまだそうで、仕掛けの作り方(企業秘密のため、詳しい仕掛けはお伝えできませんが)、網の引き方までそれぞれの狩猟場に合わせて試行錯誤を繰り返し、築き上げてきたものなのです。
「昔はね、泥で鴨の人形を作っておびき寄せたりしたんだよ」
いざ!険しい山道を分け入って監視小屋へ!
「そろそろ鴨が飛んでくる時間帯だから、小屋の方に行ってみますか」
野生の鴨は、日の出前か日没後に餌を探しにやってきます。
ため池から見えているのですぐに到着するかと思いきや・・・
木と木の間をすり抜けるような山道を縫うように、こわごわ進んでいきます・・・。
日も暮れていた上すぐ横は崖になっていたりと、気を引き締めていないと足を踏み外してしまいそうです。
交通網が発達していなかった時代、旅や出稼ぎで山越えをしなければいけなかった人々ってこんな気持ちだったのかなあ・・・そんなことを思ってしまうほど。
考えてみれば「無双網」という狩猟法自体、昔ながらの狩猟法。
なんだか一気にタイムスリップしたような気分です。
さて、その細い山道をしばらく歩いて、ようやく監視小屋に到着。
暗くなってきたので懐中電灯(文明の利器)をつけていた私たちですが・・・
「あっ!灯り消して!!!」
と天本さん。
ため池に一羽、鴨が飛んできているようです。
「ちょっとの灯りでも反応するからね」
小屋の内部に入り、おそるおそる池を覗いてみると・・・
・・・・どこに鴨がいるのか全くわかりません・・・・(真っ暗なので写真もありません)
猟師さんのすごさをここでも感じます。
「”月の鴨”と言われるように、月夜は長いこと池にいて、餌を食べるんだよ」
月の光がもう少しあれば、私たちにも鴨を見ることができたのでしょうか・・・
この真っ暗な小屋の窓から様子を伺い、何時間も息を潜めて待つ。
気が遠くなるほどの時間だと思います。
そして鴨がある程度の量集まった頃合いを見計らって、一気に針金を引く。
この引きかたも一歩間違えると逃げられてしまいます。
ものすごい集中力が必要なんですね。
「捕らえた鴨はその場で急所を絞めて持って帰るんだよ」
多いときは50羽ほどを捕らえ、バイクに積んで山道を何往復もしながら運んだこともあるそうです。
(※狩猟して良い量はワンシーズン、一猟師につき200羽までと定められています)
鴨を保存してある場所がこちら。
すぐそばでは羽をむしっています。
「この羽をむしるのも難しいんだよ」
むしり加減によっては身がやぶけ(特に胸の部分)売り物にならなくなることも。
ちなみに「羽むしりの達人」も同じ小郡市にいらっしゃるらしく、毎年大半の羽むしりをお願いしているのだそうです。
あの美味しい鴨肉は、こんな熟練の技を持った方々が築き上げてきた歴史の賜物なのだな・・・
と、改めて感じました。
ちなみに、地元民のメジャーな食べ方は?
天本さん曰く「タレにつけて食べるのが一番うまいよ」
お花見の頃は、みんなでバーベキューをして楽しむのだそうです。
桜の木の下で鴨肉のバーベキュー・・・!!!
羨ましい!
機会があればお邪魔したい!ですね。
小郡の美味しい鴨肉を食べたい!
現在では鴨をうまく捌ける人も減ってきているそうです。
何代にもわたって受け継がれてきた猟の技と、数々の希少な職人さんたちの賜物である貴重な小郡市の鴨料理!!
是非食べてみたい!と思った方!!こちらの「さとう別荘」さんで召し上がれます。
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